台湾の「春節」「旧正月」とは?|日本の正月との違いを解説!
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台湾など中華圏の話題でたまに出てくる「春節(しゅんせつ)」や「旧正月(きゅうしょうがつ)」という言葉。

日本には馴染みのない節句のため「耳にしたことはあるけれど・・一体何のこと?」という方は多いかもしれません。

今回はそんな「春節」と「旧正月」について紹介します。ご興味のある方は是非ご一読ください。

 

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「春節」は3大節句のひとつ

台湾を含む中華圏には1年間に3つの大きな祝事があります。

それが「3大節句」です。

3大節句

◆ 春節(しゅんせつ)

◆ 端午節(たんごせつ)

◆ 中秋節(ちゅうしゅうせつ)

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「春節」「旧正月」とは?

それでは春節や旧正月って一体なんのことなんでしょうか?

「春節」と「旧正月」は、どちらも中華圏の正月のことです。

「春節」は別名「過年(中国語:guò nián=グォニェン)」ともいいます。

(※どちらかというと、現地ではこの「過年」のほうが一般的に使われています。)

「春節」と「旧正月」と「過年」 

これらは、言葉こそ違いますが、どれも同じ中華圏の正月のことなんですね。

(※細かいニュアンスの部分までいうと「春節」や「過年」は節句という行事的な意味合いが強く、「旧正月」というのは日本人のよく知る「正月」と「中華圏の正月」を区別するためによく用いられます。)

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中華圏のお正月「春節」の時期は毎年変わる

中華圏のお正月「春節」は、日本のお正月とは違い、毎年時期が異なります。

詳しいことは後述しますが「春節(旧正月)」を理解する上での大きなポイントとなるのは時期です。

大事なのは、中華圏の正月は、毎年日にちが違うということですね。

 

日本の正月は毎年1月1日ですよね。

ですが、台湾など中華圏の正月である「春節(旧正月)」は、1月中旬~2月中旬という間の中で、毎年日にちが前後します

それはどうしてか?

日本は毎年1月1日(元日)からが正月が始まるのに、どうして台湾などの中華圏では毎年始まるお正月の時期が異なるのでしょうか?

その理由を、次章以降で詳しく説明したいと思います。

ポイントは「旧暦」と「新暦」!!

「新暦(しんれき)」や「旧暦(きゅうれき)」という言葉を聞いたことはありませんか?

台湾などの中華圏の春節(旧正月)の時期が毎年異なるのには、この「旧暦」と「新暦」が大きく関係しています。

読んで字のごとく、「旧暦」は旧式の暦(こよみ)のことで、「新暦」は新しい暦のことをいいます。

そして、この「旧暦」と「新暦」。

どちらが中華圏で採用されているかという話なんです。

 

答えは、「旧暦」。

台湾などの中華圏では旧式の暦である「旧暦」が基準となっています。

そして、日本では新しい暦である「新暦」が基準となっています。

中華圏と日本では、採用されている暦が異なるから、お正月の時期が異なるのです。

新暦は1月1日からがお正月|中華圏はそうじゃない

新暦と旧暦 ~正月の時期~
「新暦」=日本 正月は1月1日から
「旧暦」=台湾 正月は1月中旬~2月中旬の間で毎年変動

ちなみに、ひと口に暦(こよみ)といっても、実は暦には複数の意味合いがあります。

ただ、ここでの意味合いとしては、時間の流れを年・月・週・日で区切り定めた仕組みのことをいっています。

もっと簡単に言うと?

要は「暦」というのは、旧暦」と「新暦」は月日(つきひ)を数える計算方法です。

この月日を数える計算方法が「旧暦」と「新暦」では異なるため、正月の時期に違いがおこるのです。

 

「旧暦」と「新暦」は何を基準に計算している?

前章で「旧暦」と「新暦」は、それぞれ月日の計算方法が異なると説明しました。

では、ぞれぞれ何を基準に月日を計算しているのでしょう?

「旧暦」と「新暦」では、異なる基準を用いて、年・月・週・日を定めているんです。

その基準とは・・・

太陽と月です。

「旧暦」と「新暦」の基準
◆旧暦
別名「太陰太陽暦」といいます。
月(太陰)の満ち欠けを基準に、太陽暦の要素も取り入れて定められた暦
◆新暦
別名「太陽暦(別名:グレゴリオ暦)」
地球が太陽の周りを廻る周期を基準に、定められた暦

上記の通り、「新暦」は地球が太陽を廻る周期で月日を計算し、「旧暦」は月の満ち欠けを基準に月日を計算します。

中華圏にも新暦の考え方はある

ちなみに、台湾(中華圏)は「旧暦」が基準となっていますが、中華圏に新暦の考え方は存在しない!

というわけではありません。

1年の中で新暦の暦を基準とした行事もあり、西暦(20〇〇年)が新しく変わるタイミングなどは日本と同じく毎年1月1日(元日)のAM00:00です。

「旧暦」=太陰太陽暦 「新暦」=太陽暦(グレゴリオ暦)

前章で触れた旧暦の「太陰太陽暦」と、新暦の「太陽暦(別名:グレゴリオ暦)」は、一体どう違うのでしょうか?

それぞれの暦の日数の数え方を見ていきましょう。

 

【太陰太陽暦(旧暦)】

旧暦に用いられる「太陰太陽暦」は、欠けている月が満ちるまでの29日ないしは30日を1ヶ月と定めています。

これを12回(1年)繰り返すことで、1年は約354日となるのですが、皆さんご存知の1年=365日と、11日もの誤差が出てしまいます。

これをそのまま繰り返すと、そのうちに月と季節がズレてくるため、この誤差をできるだけ修正するために3年毎に一度、「閏月(うるうづき)」という13ヶ月目がある年を設けることで調整されているのです。

【太陽暦(新暦)】

新暦に用いられる「太陽暦」は、地球が太陽の周りを廻る周期から、1年を365日と定めています。

※厳密にいうと1年は365.242…日(365日+端数)であり、この端数が積み重なることで誤差が生じます。その積み重なった誤差が4年に一度、通常の1年(365日)より1日多い「閏年(うるうどし)」として1年366日の年が設けられています。

春節(旧正月)の時期が毎年変わる理由

それでは話を戻して、なぜ中華圏のお正月である「春節」の時期が毎年変わるのか、その理由を詳しく見ていきましょう。

旧暦と新暦の日数

◆旧暦:1年の定めを「354日+3年に1度約1ヶ月」

◆新暦:1年の定めを「365日+4年に1度1日」

「旧暦」と「新暦」の違いは、1年間の日数です。

1年を「354日」と考えるか、「365日」と考えるかというのがポイントとなり、この点を踏まえて考えてみると、春節(旧正月)の時期が毎年変わる理由が分かります。

要は、台湾などの中華圏では「旧暦:354日」が1年という考え方を基準に春節(旧正月)のスケジュールが組まれており、その「旧暦」のスケジュールを「新暦:365日」が1年と考える西暦カレンダーに当てはめると、毎年の春節の時期がズレてくるわけです。

「旧暦」と「新暦」の簡単まとめ

ここまで長々と説明してきましたが、シンプルにまとめると。

中華圏は、「旧暦」の暦が採用されており、354日を1年としてカレンダーが作られている。

日本は、「新暦」の暦が採用されており、365日を1年としてカレンダーが作られている。

そもそも基準になっているカレンダーが違うから、日本のカレンダーに中華圏の正月を当てはめて見ると、お正月のタイミングが毎年異なる。

ということです。

春節にまつわる豆知識:春節の飾り「春聯」と「倒福」

春節といえば、「赤色の飾り」です。

台湾(中華圏)で赤色というのは「縁起の良い色」とされており、春節になるとお店や民家では様々な赤い飾り付けが行われます。

飾りつけの中で特に有名なのは、古くからの風習にある「春聯」という縁起の良い文字が書かれた赤い飾りと、「福」という字の飾りです。

春聯

日本語で「しゅんれん」といい、中国語では「春聯(チュンリィェン:chūn lián)」といいます。

「春聯」が飾られるのは玄関や門などで、入口となる場所の左右の両側と上側に貼られます。

起源は古来中国の「桃符」という板といわれており、現在の春節で飾られる「春聯」は何種類もあります。

萬事如意:すべてのことが上手くいきますように

生意興隆:商売繁盛しますように

吉祥如意:思いが叶いますように

上記は、よく「春聯」に使われている文字です。

飾り文字「福」

「福」という漢字1文字の飾りで「幸福や幸運の運気が来ますように」という意味の飾りです。

「福」の飾り方に「倒福(ダオ フー:dào fú)」という逆さまに飾り付ける方法があります。

なぜ「福」を逆さまに飾りつけるのか?

それは、倒福の「倒:dào」という漢字が、「至る(dào)」という漢字の発音と同じだからです。

「倒:トウ」という漢字には、位置が反対・逆さまという意味があり、「福が至る」を意味する漢字と「福が逆さ」を意味する漢字の発音が同じなので、縁起を担いでそのように飾っているのです。

要は「福」を逆さまに飾ることで「福」が至りますように。という意味が込められているのですね。

ちなみに、「福」の飾りは必ず逆さに飾らなければならないわけではありませんので、正位置で「福」を飾っているところもあります。

まとめ

今回は「春節」と「旧正月」を掘り下げて説明してきましたがいかがだったでしょうか?

春節と旧正月は同じ意味で、どちらも中華圏の正月のことでした。

中華圏の春節(旧正月)は、日本の月日の計算方法とは異なり、太陰太陽暦という暦が基準となっているため、毎年1月中旬から2月中旬の間に訪れます。

中華圏の1年の中で最も盛大に行われる祝事で、普段とは違った雰囲気に包まれるため、機会があれば春節の時期に台湾を訪れてみてください。

最後までお読み頂き、有難うございました。

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