今回は、国民的な英雄として、台湾で今も尚、尊敬され続けている鄭 成功(ていせいこう:Zhèng Chénggōng)という人物の要点をまとめて紹介したいと思います。
台湾に行くと、よく目や耳にする人物ですので、ご存知の方も多いと思いますが、名前ぐらいしか知らないという方は、是非ご一読下さい。
目次
鄭成功は、いつの時代の人?
鄭成功は、1600年代の中頃に活躍した歴史的人物です。
鄭成功は、37歳(1624年~1662年)という若さで病没しました。
時代としては、まだ名も無い島(現台湾)が、オランダによって植民地化された頃です。
当時、名も無い島(現台湾)は、オランダの植民地になる以前から、中国や日本の貿易拠点となっていました。
鄭成功は、どんな人?
一言で言うと、鄭成功は台湾の英雄です。
37歳という若さで、台湾の歴史的英雄として語り継がれる鄭成功とは、一体どんな人だったのでしょうか?
鄭成功は長崎生まれ
鄭成功は、西暦1624年8月27日(旧暦1624年7月14日)に台湾人と日本人の間に生まれました。
台湾人と日本人のハーフということですね。
しかも、鄭成功の出生地は日本の長崎県にある平戸です。
鄭成功は、日本と縁が深い人物でした。
鄭成功の両親
平戸:鄭成功居宅跡
鄭成功の父親は、鄭 芝龍(てい しりゅう:Zheng Zhī-lóng)といい、東アジア海域で貿易を行う海賊の頭領でした。
鄭成功の母親の名前は、田川マツといいます。
鄭 芝龍は、日本の平戸で田川マツと出会と出会い、鄭成功が誕生しました。
鄭成功が日本にいたのは、幼少の頃までです。
以降は日本を離れ、父親の故郷である中国の「福建」へと移りました。
鄭成功は三国神
鄭成功は「福建」へと移り、後に中国の「三国神」の一人として尊敬される人物となります。
建国に多大な貢献と影響を及ぼした、人々から尊敬を集める大人物ですね。
ちなみに、三人の国神といわれているのは、「孫文」「蒋介石」そして、「鄭成功」です。
鄭成功の別名「国姓爺」
鄭成功の一族は、密貿易を行っており、政府や商売敵などとの武力抗争が起こることもありました。
そのため、鄭一族は私兵を持っており、武力面でも非常に力を持つ一族でした。
また、鄭成功の父親鄭 芝龍(てい しりゅう)は有力者であり、当時の明王朝の隆武帝(りゅうぶてい)との関わりを持つ人物でした。
息子の鄭成功は、父親からの紹介を機に、隆武帝(りゅうぶてい)との関わりを持つことになります。
鄭成功は、隆武帝から気に入られ、後に「朱(しゅ)」という国姓を賜ります。
「朱」という国姓は、明においては皇帝一族が持つ姓であり、君主や皇族などだけが使うことを許される姓です。
この国姓を賜るというのは、当時非常に凄いことでした。
※注意:王朝によって国姓は異なります。明の時代の国姓は「朱」だったということです。
しかし、鄭成功は、「国姓を賜るなど畏れ多い。」という理由から、最後まで鄭の姓を名乗ります。
※人々からは、国姓を賜った、凄い人物という意味合いから、「国姓爺:guó xìng yé」と呼ばれるようになったそうです。
ちなみに、日本の皇室は姓を持ちませんので、日本には、国姓という考え方はありませんね。
鄭成功は何をした人?
台湾で非常に有名な鄭成功ですが、一体何をした人なのでしょう。
なぜ国神として語り継がれる英雄になったのでしょうか?
鄭成功が国臣といわれる理由
時は1644年。
の中国では、明王朝(漢民族)が滅び、清王朝(満州族)が主権を握る時代でした。
鄭成功は、明を復興するために、「反清復明」を掲げて反乱を起こし、清に挑みますが、1661年に清によって鎮圧されてしまいます。
ここで、鄭成功は、台湾に拠点を移し再起を図ることにしました。
当時、台湾はオランダによって占拠されていましたが、鄭成功はこれを駆逐。
オランダ軍勢は、鄭成功によって、台湾から完全に撤退することになったのです。
その後、鄭成功は台湾を拠点に鄭氏政権を樹立し、再度中国大陸への侵攻を目指しましたが、1662年、鄭成功は病によってこの世を去りました。
鄭成功の意思は、息子が継ぎ、清と戦いますが、1683年に降伏し、鄭氏政権の台湾統治は幕を閉じました。
その後、台湾は清王朝の支配下に入ります。
鄭政権は短い期間で終わりましたが、人々にとって、西洋の侵略・植民地支配から台湾を取り戻した鄭成功は、人々にとって台湾を守った英雄、国神なのです。
鄭成功と台湾の歴史に触れるなら台南へ
オランダの侵略から台湾を守った鄭成功は、台湾の人々にとって、とても偉大な人物です。
もし、鄭成功に興味持ったという方は、台南に足を運ぶことを強くおすすめします。
台南は、台湾の古都であり、オランダ支配下の頃の旧跡が残る街です。
鄭成功祖廟(ていせいこうそびょう)など、台湾の歴史に触れることができる場所でもあります。
日本でいう、京都のような場所ですね。
台湾旅行といえば台北を思い浮かべる人が多いですが、台南でしか見ることができないものも、たくさんありますので、機会があれば、是非足を運んでみて下さい。
最後までお読みいただき、有難うございました。